四條畷にも探せば、まだまだ自然がある。生産緑地に指定されてる地域もある。不動産屋さんなので、生産緑地を少し説明すると「生産緑地地区」を指す。これは生産緑地法で定められている。この法律の理念は、都市計画を行う上で、一次産業との調和を保つことを目的としている。この為に、その一次産業事業者に多くのメリットがある。それと同時に、そのメリットために社会や経済や税の問題を抱えることになる。
これらに、関係ない人は、その名称も知らない人も多いのではないだろうか?
昔流行ったゲームのシムシティーではないが、現実の社会も大まかに、住宅地区、商業地区、工業地区と分けられている。一般の人でも耳にする言葉で「調整地域」がある。なかなか発展しないイメージだけど。調整地域とは、「市街化調整区域」のことです。これは、市街化を抑制する所とです。つまり、開発も発展も積極的には行わない地域です。発展しないイメージどころか、そもそも発展させない、その気もない地域なんです。
逆に、市街化区域は、積極的に目的に合して開発計画を進めて行く地域です。その市街化区域に「生産緑地地区」があります。市街なのに田んぼや畑などが残っている地域は、この生産緑地地区に指定されてるところがあります。この生産緑地法の理念が上手く活用できているのは、京都市内などが全国的に有名です。京都は100万人都市でありながら、色々な顔を持つ都市であります。その一面が、伝統野菜である京野菜を市内において栽培している地域があります。この京野菜を栽培している畑などを生産緑地地区にしているのは、とても有益なことと思います。大阪府内においても、なにわの伝統野菜などを栽培している地域が生産緑地地区にしていされているのは同義でしょう。
四條畷でも段々と田畑が少なくなりましたが、生産緑地があります。その生産緑地で、今年も「そら豆」ができました。上の写真は「河内一寸そら豆」で、なにわの伝統野菜でもあります。下の写真は、奥側、写真中左上のところが河内一寸そら豆です。手前側、写真中右側が「普通のそら豆」になります。
「そら豆」の由来をご紹介。諸説ありますが、有名な話や農家さんの口伝をご紹介します。
一枚目の写真を見たら、確認できますが、まだ若いそら豆のサヤは、上を向いています。そこで、空に向かって成長する豆なので「空豆」と言われています。収穫時期は、同じく一枚目の写真を見れば確認できますが、空に向かって成長したサヤが重さで。下に垂れます。充分に成長して垂れた頃が、筆者的には一番美味しい収穫時期と思っています。
もう一つ有名な話が、昔の農家にとって、現金は貴重でした。そして、直ぐに現金に換えれる絹が重宝されました。絹は日本の貿易でも長らく外貨を稼ぐ有力な商品でした。そんな背景から、日本全国で絹の生産が盛んに行われました。絹を生産するには、蚕(かいこ)が必要です。蚕の餌になる桑も必要です。その蚕を育て始める季節に収穫を行うのが、そら豆です。なので、漢字で「蚕豆」となりました。
たった5本ですが、なにわの伝統野菜である「鳥飼茄子」も植えました。もう、大阪府下で栽培している農家さんは一軒だけになりました。この貴重な幻の茄子を守ろうと摂津市は行政を上げて取り組んでます。市役所の産業振興課農政係で農業員会から1株300円で分けてもらいました。GWの時期に摂津市である農業祭に行けば買えるのですが、作物と言え生きています。なかなか人間の予定には合してくれません。まだ、5月ですが日差しが厳しく、少し萎れてますが、大きく育って欲しいものです。またの鳥飼茄子は、伝統野菜ですが、接ぎ木の苗なので、案外、丈夫に育ちます。
GWも終わり、田起しも終わり水が張られた水田です。筆者も大人になって初めて知ったのですが、ここの四條畷を含む河内は、全国的に見ても田植えが一番遅い地域です。その特性に合した品種も使われ、味という面に置いても、ブランド米に勝らずとも劣らないようになってます。鹿児島の方でも栽培が盛んですが、品種は「ヒノヒカリ」を栽培しています。コシヒカリの子供の品種と例えれば、イメージできるでしょうか?
田植え前に、この田んぼの農家さんのご厚意で、地域の子供たちが「泥んこ遊び」をする予定でしたが、残念ながら、今年は予定の日曜日が大雨で、中止になりました。市街化区域に生産緑地があると、このようなメリットもあります。もう、大人たちは直接に感じませんが、子供たちがこのような里山を感じれるような自然と触れ合えるのは、生産緑地法の精神でもある調和に則してるように思えます。経済の指数には表れない「日本の文化力」に考えています。
この水田の上に、先ほどのそら豆畑があります。写真には撮れませんでしたが、そら豆畑に、そら豆の瑞々しい緑と同じ色のアマガエルが居てました。ほんの少しですが、生物の多様性も体感できます。
そして、この記事のシメは。水田のアイドル「カルガモ」の番(つがい)です。なぜか、毎年、やって来るようです。筆者が写真を撮ろうと近づくと逃げられてしまって、この望遠で撮るのが精一杯です。そして、農家さんの話では、農家さんからは、逃げません。江戸時代なら、今頃、鍋に具材になってる可能性がありそうです。そして、今年は飛来した時に、まだ、田んぼに水を張ってませんでした。するとこの「カルガモの番」は、農家さんに近寄り、ガガ~クワ~!ガガ!と農家さんの回りをウロウロします。そして、農家さんが水を張りだすと満足したのか、田んぼに一目散に入って行きました。
こんな情景が四條畷には、まだ、残ってます。皆さんもそんな自然を探してみる触れてみるのはいかがでしょうか?