病院の選び方

第11回のタウン情報は、病院の選び方です。

まずは、地域の特有を考慮した病院の選び方の前に、日本全国共通の基本の選び方です。
医者の専門性と自分に必要な医療サービスが合えば、設備が多少古く小さな病院や診療所でも、満足いく医療が受けれるケースが多いです。
逆に、多くの人が医者の専門性を無視して、自分の行き易い都合の良い病院に行き、そこに医療の不一致が起こると不満を言う患者さんが多い。
例えば、骨折の可能性がある打撲で、内科を受診する。問診の結果、湿布と炎症鎮痛剤をもらって終わった。翌日、患部の腫れが収まらず、外科を受診して骨折が判明する。前日の医者を「骨折してるのに湿布と痛み止めだけ出した、ヤブ医者」と言いふらす。しかし、これは医者にしてみれば、甚だ迷惑な話だ。専門外の上に「様子を見てください」とほぼ必ず伝えているケースです。
もう一つ、反対のケース、整形外科の医者に、風邪に似た症状で受診する。内容は「咳が何週間も収まらない。」、その医者は「専門医に診てもらってください。薬は処方しません。」。病院を後にすると患者は「シンドイから病院に来てるのに、何もしてくれない。あの医者は悪い医者だ」と話す。また、今度は「吐き気が続く。」、その医者は「専門医に診てもらってください。薬は処方しません。」。病院を出て患者は「やっぱりあの医者は、何もしてくれない」。

こんな事例をあげました。読者のみなさんは、どちら立場で読まれましたか?
患者の立場で、読まれた方は、医療事故に合う可能性が高いです。しかも、それは、自分の判断ミスや知識不足から起因してるにも関わらず、それすら気付けない人です。
では、医者の立場で、読まれた方は、自信過剰で自己判断で勝手医療で痛い目遭うときに注意です。処方された薬を飲みきらず、それが抗生剤で耐性菌を作る結果になったりします。
この事例では、患者の軽率な病院選びと医者と患者では知識(常識)に差がある事を感じた人が医療リテラシーが高いと言えます。
まず、打撲なのだから内科ではなく、外科を受診すべき。それは当たり前であり。それでも違う科を受診するぐらい自覚症状が軽いまたは軽度の状態であると医者が判断するの自然なできごとです。なので、軽い処置で充分なのも理解できます。医者は「様子を見てください」と伝えてる。これが、医療リテラシーと言わすコミュニケーション能力が標準ぐらいの人は、社交辞令や挨拶程度に感じてまう。これが、医者と患者のギャップです。この医者の「様子を見てください」は時間経過で良くなりますと受け取る人もいるし、本当に「見てるだけ」の人もいる。実際には、症状が治まらなかったり悪化したときは、「もう一度受診する」か「専門の外科で受診してください」と言う意味である。更に「もう一度受診する」は医者自らが専門の外科で見てもらうべきかを判断すると言う意味です。それなら最初から「外科」に行けばいいのですが、スタートが間違っているので、議論を深めるとそこになります。

外科の医者が、鎮咳剤や制酸剤と消化管運動改善薬を簡単に出さないのは、リスクを避ける行為です。このような外科の医者は、専門外の治療は施さないことも多く患者に不満を抱かれも多いです。しかし、裏をかえせば、専門の外科の治療に関しては驚くほど腕の良い医者や自分の医療に自信を持っている人も多いです。患者は最初から呼吸器科と胃腸科を受信していれば、苦しまずにすむ事も多いですが、なぜか専門外でもいつも通っている医者だからとか、家の近くとか、大きいなど、混雑しないなど、治療以外の理由で受診を決める人が多いのに驚くことが多いです。


さて、比較的軽度の症状で、大学病院や総合病院を受診したり、いきなり高度専門病院を受診する人がいます。その大型思考総合思考が間違っています。緊急性のない場合、地域の病院で多くは、満足のいく医療サービスが受けれます。そして、その地域の病院で対応できない症状の場合、紹介状をもらって、大学病院や大型の総合病院に行くと良い結果が多いです。昔は、これを促すために紹介状があると初診料が安くなりましたが、その制度は改正されました。しかし、紹介状を持って受診すると紹介者のドクターの面子もあり正常なことが正常に行われます。いきなり高度専門医療を施す病院に行くとお座なりになり、説明も一から何度もする羽目になります。紹介状があれば、大方の症状や経過など病院側には伝わっています。また、治療後の経過なども紹介者のドクターに連絡が回り、地域の医療に戻っても情報を共有されて、今後の通院や完解における経過観察なども大きな病院に行かなくても地域の病院で充分医療サービスが受けれるようになる。

今年のお盆にあった話ですが、朝起きたら、突然「耳が聴こえません」。探すと、耳鼻科の救急は京都市内と大阪市内しかありません。そこで、北河内救急センターにしました。この救急センターに耳鼻科はありませんでした。突然に耳が聞こえない症状で痛みはありません。痛みがあれば、切迫して適切に救急の耳鼻科を受診してでしょう。その切迫感がない為に、耳が聞こえない状態で内科を受診します。痛みがなく聞こえない場合は、突発性難聴も考えられます。この突発性難聴は時間単位で早期の治療開始が求められます。治療が遅れれば、失った聴力が戻らないことも多いです。あと少し治療が早ければ聴力を失わずに済んだのにと嘆く人もたくさん居ます。このときの内科の医師の診断は「耳垢栓塞『だろう』」です。結果「耳垢栓塞」で大事には至りませんでした。しかし、この内科医は休み明けに耳鼻科を受診する事を進めてません。抗生剤と消炎鎮痛剤の処方のみで終わっています。この内科医が、どのように突発性難聴の可能性を排除できたのか今でも疑問です。そして、この内科医が薦めたかもしれないが患者は休み明けの耳鼻科の再受診を聞いてない記憶にない考えてない事に驚きます。この患者さんは周囲の強い薦めで、耳鼻科を受診し耳垢栓塞を取ってもらったとたんに良く聞こえると喜んでました。

咳が出るようになったら呼吸器科、胃痛や吐き気があれば胃腸科、痔なら肛門科、アレルギーならアレルギー科など症状に合わして、専門の医師に見てもらうようにしましょう。

さて、本題が「日本全国共通の基本」結論で短文になりますが、自分にとって良い病院の選び方は、
症状に合わせて、地域のちょうど良い大きさの病院に行くことです。そこで自分の主治医を見つけましょう。症状に合わせて信頼できる専門の主治医を何人も持ちましょう。心肺が弱く胃腸も弱い人は、呼吸器なら○○先生、お腹が調子が悪いと□□先生のように。自分の足で、その地域で見つけて行く事が大切です。自分が知らないだけで意外な名医も多いです。ヨーロッパで最新の医療を学んだ医師。大学で先進医療の技術指導している講師の名医など、あとで知ってびっくりします。地域の眼科から紹介状をもらって受診した眼科専門医は全国から白内障の手術を受けに来るスーパードクターだったりします。世界規模の製薬会社でCEOをされてた医師などありました。自分が求めれば良い出会いは、身近にあるものかも知れません。